意思決定を後押し!意思決定支援系コンテンツとは?

インバウンドマーケティングにおける意思決定支援段階とは?

インバウンドマーケティングというのは、ユーザーに自発的に商品を見つけてもらうためのマーケティング手法です。しかし購入に至るまでには、やはり企業側からのアプローチも必要です。

インバウンドマーケティングの手法には、4段階のステップがあります。1段階目は「認知獲得(Attract)」、2段階目は「理解促進(Convert)」、3段階目は「意思決定支援(Close)」、4段階目は「定着促進(Delight)」です。

意思決定支援段階はインバウンドマーケティングの4段階ステップにおける、3段階目のステップのことです。

1段階目である認知獲得の段階では、顧客となるユーザーを「惹きつける」コンテンツを作成して、ユーザー自身に自社や自社商品を「見つけてもらう」ことを目指していました。

Web検索などで、自社のWebサイトやブログコンテンツを見つけてくれたユーザーに、自社や自社商品について知ってもらおうとするのが、2段階目の理解促進段階です。

そして3段階目である意思決定支援段階というのは、購入を決めているユーザーに他社ではなく自社の商品を選んでもらい、顧客になってもらうことを目指しています。

 

意思決定支援段階の役割・目的は?

この段階の役割や目的は、見込み客を「自社の顧客にする」ことにあります。理解促進段階ではユーザーへの連絡先として、メールアドレスなどを提供してもらいました。

メールアドレスを提供してくれたユーザーは、自社に興味がある見込み客です。意思決定支援段階では、見込み客から提供を受けたメールアドレス宛に、企業側からメールを送信します。

さらに氏名を提供してくれた見込み客へは、「○○様」と名前を入れたメールを送ります。自分の名前が入ったメールは、読もうという気持ちになりやすいものです。

この段階の顧客は購入を間近に控えているため、他社商品との比較も考えています。見込み客ごとのニーズを個別に把握しながら、求められる情報を的確に提供して見込み客を育成していきます。

営業との密接な連携が必要なのも、この段階です。営業と見込み客データを共有して、連携しながら進めていくことで成果へとつながります。

 

意思決定支援段階の顧客の状態とは?

意思決定支援段階の顧客は、自分の課題を認識しています。以前は潜在的だったニーズが顕在化しており、商品を購入したいと考えている段階です。しかし、まだどこの企業の商品にするかは、決まっていません。

この段階では、顧客は最終的な検討を行いながら、購入先を決定しようとしています。そのため、購入後の具体的なイメージが伝わるようなコンテンツがあると、購入の決め手になることもあります。

 

意思決定支援系コンテンツとは?

リードナーチャリング(見込み客育成)を目標にしたコンテンツで、見込み客とコミュニケーションをとれる機会を作り出していきましょう。

見込み客から提供されたメールアドレス・氏名・電話番号などをもとに、最適なアプローチ方法を選択します。一般的には、メール配信が主になります。

意思決定支援段階に配信するメールは、できるだけ見込み客に合わせて個別対応をするか、分類してグループごとの対応を行います。

個別の疑問やニーズ、顧客の属性に合わせて、配信するコンテンツを選びます。コンテンツの内容としては、業界別・規模別の導入事例集、お客様の声、よくある質問集、要望別営業提案資料、セミナー、コミュニティー、デモンストレーション、トライアルなどがよいでしょう。

購入後の使用感や活用法が具体的にイメージできるように、商品の疑似体験ができるコンテンツが最適です。動画でのコンテンツ配信は、イメージがしやすく印象にも残りやすいため、有効といえるでしょう。

 

業界別の意思決定支援系コンテンツ例

新築不動産の場合は、展示場の見学、実際のお宅訪問、展示場宿泊体験、Webサイトでの室内疑似体験、実際に住んでいるお客様の声、インテリア事例集、要望別営業提案資料などがあります。

自動車業界の場合には、試乗会、趣味に合わせた活用法(バーベキュー・レジャー用品・旅行)、動画や写真などの視覚的なストーリーテリング、お客様の声、よくある質問集、要望別営業提案資料、などがあります。

結婚式場の場合には、ウエディングドレス試着会、料理の試食会、式場見学会、お客様の声、動画でのデモンストレーションビデオ、要望別営業提案資料、顔合わせ・結納会場情報、結婚準備情報などがあります。

Webソフトウエア商品の場合には、商品デモンストレーション、期間限定の無料トライアル、オンライン使用法セミナー、業界別・規模別の導入事例集、コミュニティー、よくある質問集、などがあります。

 

意思決定支援系コンテンツで実感を与える

意思決定支援段階というのは、見込み客が最終的にどこで何を購入するのかを決定する前の重要な段階です。

この段階では他社との比較検討も行われるため、自社商品を身近に感じてもらえる体験型コンテンツなどが効果的です。

期間限定の無料トライアルや体感型動画コンテンツなどで、実際に購入後の状態を体感してもらい、購入者の不安や疑問を解消します。この段階での問い合わせなどには、丁寧に対応することが必要です。

また最終的には、価格が購入への壁となることもあります。予算に合わない場合は、どんなに気に入っていても購入をふみとどまるケースは多いものです。

そこで支払いへの不安を解消できるよう、分割払いなど支払い方法の選択情報や、期間限定の割り引きクーポンの配信など、見込み客の支払い能力に合わせた提案を行うことが、購入の決め手になる場合もあります。

 

BtoBマーケティングの場合の注意点

法人顧客が対象のBtoBマーケティングの場合には、一般消費者が対象のBtoCとは事情が異なります。企業間取引のBtoBでは途中まで検討を行う担当者と、最終的な決定権を持つ決裁者が異なる場合が多いためです。

購入までの検討期間も長くなるため、BtoCのような体感型のコンテンツは効果を発揮できません。企業が購入を検討する際には、実際の売り上げへの効果や利益にどれほどつながるかなどが重視されます。

BtoBマーケティングの場合には、要望別営業提案資料を充実させて、数値的にも納得できる購入メリットを示すことが大切です。

 

 

関連記事

  1. 市場カバレッジ戦略とは?市場を絞って効率的にマーケティング!

    マーケティングのSTP戦略では、多様化した消費者のニーズに対応するため、市場を細分化してから、自社が標的とするべき市場を選んでいく、ターゲティングを行います。 市場を絞らず、みんなを対象にして作られた商品やサービスは、結局、誰にとっても欲しいと思えない商品やサービスに、なりがちだからです。

  2. ペルソナとは?何をするときに用いられるの?

    ペルソナとは、近年アメリカ企業を中心に取り入れられているマーケティング手法のことです。

  3. インバウンドマーケティングを行うチャネルは?

    インバウンドマーケティングを行えるチャネルとは?インバウンドマーケティングとは、自社のコンテンツを消費者に見つけてもらい、顧客の関心をたやすことなくリピーターになるまで育成するというマーケティング手法です。

  4. インバウンドマーケティングとは?これまでの営業方法とは反対の営業?

    現代はインターネットの発達により、消費者行動が大きく変化しており、ビジネスも変革の時期を迎えています。 インバウンドマーケティングは、多様化した現代の消費者行動に合わせた、まったく新しいビジネス手法であり、新しいマーケティングの概念です。

  5. 市場の決定をする際に役立つ3Cの視点とは?

    マーケティング戦略を成功させるためには、どのような市場や顧客に向けての商品やサービスにするのかを、明確にする必要があります。

  6. IoTが発展することでマーケティングの幅がぐんと広がる!

    IoTは「Internet of Thing」の略で、「アイオーティー」と読みます。日本語に訳すと「モノのインターネット」 という意味で、さまざまなモノがインターネットを経由して、通信できるようになることを指しています。

ページ上部へ戻る
Close Bitnami banner
Bitnami