デジタルマーケティング
Positioningの際に役に立つ4Pとは?
Positioningの重要性とは?
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、 Targeting(ターゲティング) 、Positioning(ポジショニング) の3つの頭文字からとった、マーケティングの分析手法です。
STP分析のPositioning(ポジショニング)とは、市場における自社のポジションを明確化して、優位性を確立しようとするものです。
STP分析のなかでも、Positioningは業界内で他社との差別化をはかり、自社製品の独自性や魅力を明確にするための、重要な段階です。最終的には、市場での自社の有利なポジションを見つけ出すことを、目指しています。
Positioningの際に役立つ4Pとは?
Positioningのプランを組み立てる時や、実践のプロセスにおいて役立つのが、4Pというマーケティングのフレームワークです。ハーバードビジネススクールのE・ジェローム・マッカーシー教授が、体系化したものです。
4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進) の4つの要素を指しています。この4つを組み合わせながら、自社に適したマーケティング手法を考えていきます。
Positioningでは、自社や自社製品を把握して、市場における立ち位置を決める戦略を立案・実践します。その際に利用するフレームワークが、4Pというマーケティングミックスです。
4Pのそれぞれの意味と実例
Product(製品)
Productは、商品に関する戦略です。商品に関する品質・デザイン・ブランディング・保証・サービス内容などを考えて、製品をどう作るかを検討します。
商品は企業の利益を作り出す重要なものであり、Productが Price、Place、Promotionにもかかわってきます。
Productにおいては、「顧客が何を求めているか」という視点や「顧客ニーズを満たせる商品とは何か」「商品のメリットは何か」、という視点を持つことが必要です。
また市場において、自社商品をどのような位置づけにするべきかについても検討します。市場のなかで自社商品にメリットを感じてもらうにはどうするべきか、という視点を持つことも有効です。
Price(価格)
Priceは、価格をどう設定するかという価格戦略です。価格とターゲット層とは、密接に結びついています。
高価格であればターゲット層は高収入の人々になり、低価格であればターゲット層は低収入の人々になる傾向があります。しかし収入だけで決まるのではなく、年齢などの属性、趣味嗜好なども、大きく関係してきます。
「商品と価格との釣り合いはとれているか」「企業としての利益が得られる価格であるか」など、価格決定においてはいろいろな視点が必要です。価格は慎重に検討していく必要があります。
Place(流通)
Placeは、流通に関する販売チャネル戦略です。どのような経路や手段を使って、流通させるかを検討します。
市場に流通させるまでの流通経路や販売する場所、店舗の立地なども含みます。実店舗としては、自社店舗・スーパー・コンビニ・百貨店・ショッピングモールなど、さまざまな選択肢があります。
卸販売にするのか、小売りにするのかという選択肢もあります。また、カタログなどの通信販売やインターネットのみでの販売にする方法も考えられます。
全国を対象にするのか、地域を限定するのかについても、検討が必要です。
Placeは流通経路に関する戦略ですが、どのように顧客に届けるかということだけではなく、どこで販売している商品にしたいかという戦略でもあります。
商品は販売場所や販売方法などで、商品に対するイメージが大きく変化します。百貨店でしか販売していない商品と、コンビニで販売している商品では、商品に対するイメージが異なります。
そのことも踏まえたうえで、商品の流通戦略を検討する必要があるのです。
Promotion(販売促進)
Promotionは、商品の存在や特徴を顧客に対してどのように伝えていくか、というプロモーション戦略です。
顧客に商品の存在を知ってもらわなければ、購入してもらうことはできません。どんなに良い商品を安く販売していても、顧客に認知されなければ意味がないのです。
プロモーションの一例としては、チラシ・DM・TVCM・ホームページなどでの広告活動、イベント開催、メルマガ配布、Webサイトコンテンツ作成などのさまざまな手法があります。
広告やCMなどのプロモーション活動には、予算が必要です。どのような媒体を使い、どのような方法で認知を広げていくか、というプロモーション戦略を検討する必要があるのです。
4Pを用いた分析の方法とは?
4P分析で重要なことは、4Pすべてを分析する必要があることです。4Pのうちの1つのPだけを重点的に分析しても、効果が得られません。
複数のPを組み合わせながら、検討していきましょう。例えば、「商品に対して価格は適切か」「この価格の商品はどんな販売方法が適切か」などです。
商品や業界によっては、どれかのPを重点的に検討するべき場合もあります。その場合でも、すべてのPについての検討は行うべきです。
4P分析を実際に行っていくと、複数の部署が関連してきます。製品開発、広報、マーケティング、営業などです。
マーケティングが主導的に4P分析を行っても、他部署の協力が得られなければ、成果にはつながりません。社内での協力体制を構築するのも、必要なのです。
4P分析の基本的な進め方
Product(製品)
・自社技術や強みを生かせる製品の検討
・新しいアイディアの提案
・市場調査や顧客ニーズのリサーチ
・市場での位置づけの検討
・商品開発
・テスト販売
Price(価格)
・顧客のニーズに合わせた価格の検討
・他社や市場価格をリサーチしたうえでの価格設定
・企業としての利益が確保できるかの検討
・戦略的な視点での価格設定
Place(流通)
・卸販売か小売り販売か
・イメージ戦略という視点での販売方法の検討
・販売経路の検討
Promotion(販売促進)
・ターゲットに合う媒体の選択
・広告(TVCM・Web・チラシや印刷物・ポスター)
・イベント・コンテンツ制作・メルマガ配布
・予算の検討
関連記事
-
インバウンドマーケティングのポイント!理解促進系コンテンツとは?
インバウンドマーケティングの手法には、4段階のステップがあります。1段階目は「認知獲得(Attract)」、2段階目は「理解促進(Convert)」、3段階目は「意思決定支援(Close)」、4段階目は「定着促進(Delight)」です。
-
インバウンドマーケティングのコンテンツは大きく分けて4つ!認知獲得系コンテンツとは?
インバウンドマーケティングとは、価値のあるコンテンツを用意することで、ユーザーのほうから企業や商品を「見つけてもらう」マーケティング手法です。最終的には自社を信頼して好きになってもらい、自発的に何度も購入してくれるリピーターになってもらうことを目指しています。
-
Webマーケティングとデジタルマーケティング、似ているけど違いはどこにある?
パソコンや携帯端末でのインターネットが普及してから、消費者がWebサイトで情報を探すことや、買い物をすることが増えてきました。 Webサイトを中心媒体として、プロモーション活動や販売活動を行うビジネスが、成り立つようになったのです。
-
ただEメールを配信するだけではない!Eメールマーケティングとは?
日本でもMA(マーケティングオートメーション)を導入する企業が、増えてきました。 マーケティングオートメーションツールに関する調査によると、 30%の企業がすでにMAを導入しており、45%の企業が現在導入を検討している段階のようです。
-
MAにおけるリードとは?その育成方法は?
デジタルマーケティングのなかでも、近年特に注目を浴びているのがMA(マーケティングオートメーション )です。マーケティング活動を自動化することにより、効率化を図るものです。
-
IoTの発展によって可能になるマーケティングの事例は?
IoTとは、モノがインターネットにつながる「モノのインタ-ネット化」と言われています。このIoTが発達すると、デジタルマーケティングの可能性も、どんどん広がっていきます。