マーケティング
市場決定の際に役立つ5Rとは?何の頭文字?
5R(6R)とは?
マーケティングを行うならば、知っておくべきフレームワークのひとつに、フィリップ・コトラー博士が提唱した「STP戦略」があります。
STP戦略とは、市場を細分化してから、適切なターゲットを決定して、市場での自社の優位性を確立するための手法のことです。
Segmentation(市場細分化)のS、Targeting(ターゲティング)のT、Positioning(ポジショニング)のP、という3つの頭文字から取られました。
未開拓な市場を発見して、大成功を収められる可能性も秘めている有効なマーケティング手法です。しかし、どんなに有効な戦略も、正しく進められなければ成功にはつながりません。
そこで、STP戦略を行う際に、正しく分析するために役立つ指針となるのが、「5R(6R)」なのです。
「5R(6R)」は、Realistic scale(有効な規模)、Rank(優先順位)、Rate of growth(成長率)、Rival(競合)、Reach(到達可能性)、Response(測定可能性)、のなかの5つ(もしくは6つ)あるRの頭文字から来ています。
5R(6R)の5つ(6つ)の指針
それぞれの指針の内容を、見ていきましょう。
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Realistic scale(有効な規模)とは?
Realistic scale(有効な規模)とは、市場規模は適切な大きさがあるかどうか、という指針です。
基本的には、市場規模が大きいと多くのユーザーがいるため、利益も大きくなることが予想されます。市場はある程度の大きさが必要で、小さすぎる市場は企業活動には適しません。
しかし、消費者のニーズや嗜好は、時代とともに変化します。今後の市場の成長率も、考慮する必要があります。逆に今は大きくても、今後縮小する市場もあるため、注意が必要です。
小規模すぎる市場だと思われる場合にも、頻繁なリピーター利用が見込める場合には、良い市場になる可能性もあります。
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Rank(優先順位)とは?
Rank(優先順位)とは、消費者にとってその商品が優先度が高いかどうか、という意味の指針です。消費者にとって、検索しても探したい商品やサービス、SNSで注目を浴びるような商品は、消費者にとって優先順位が高いといえます。
逆に、消費者がそれほど積極的に購入したいと思わない商品やサービス、誰も検索してまで探そうとしないような商品は、消費者にとって優先順位が低い商品です。
消費者が高い関心を持つ商品は、それほど広告で宣伝しなくても、注目を浴びて売れる可能性があります。また、消費者がSNSで、自ら商品やサービスを拡散してくれる可能性も高くなります。
スマートフォンが初めて市場に登場したときには、あまりにも画期的な商品であったため、高くても、予約をしてでも欲しいと、消費者に思われる商品になりました。
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Rate of growth(成長率)とは?
Rate of growth(成長率)は、市場の成長率に関する指標です。市場を総合的に判断するためには、Realistic scale(有効な規模)やRival(競合)とも、関連付けて判断をしていきます。
ここでは、今後市場規模が、どのように変化していくか、ということを考えます。消費者や競合他社の変化で、今後市場拡大が見込める場合もありますし、逆に現在市場規模が大きくても、縮小傾向にある市場もあります。
人口の変化や、消費者ニーズ、競合他社の売上高、類似品、商品単価なども、考慮に入れます。
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Rival(競合)とは?
Rival(競合)とは、競合他社がいるかどうか、競合他社の数や競争率に関する指標です。競合他社や類似品がない、未開拓マーケットが望ましいですが、競合率や競合他社によっては参入も可能です。
競合他社については、地域限定で展開している企業も多いため、地方によって競合相手やシェア率が変わってきます。地域別に、しっかりとしたリサーチが必要です。ある地方に強力なライバルがいる状況ならば、その地域を除外して販売するという方法もあります。
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Reach(到達可能性)とは?
Reach(到達可能性)とは、自社の商品のアピールやアプローチが、消費者にどれほど届くかという指針です。
子供が少ない地域では子供用品は必要性が低くなり、子供が多い地域では子供用品は必要性が高くなります。このような地域の特性によっても、 到達可能性は変化します。
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Response(測定可能性)とは?
Response(測定可能性)とは、企業側のアプローチが、消費者に届いているかを測定できるかどうか、という指針です。
広告チラシや販売プロモーションなどの施策を行った際に、消費者にどの程度反響があったのか、どれくらい知名度が上がったのか、などのフィードバックを測定できるようにしておく、必要があります。
例えば、新車のプロモーションをCMやチラシ、ネット広告で行った場合、どの施策が効果的であったのかを知るためのツールが、複数必要です。
アンケート葉書や、営業の聞き取り、ネットアンケートなどで、消費者の反応を知ることができれば、今後のプロモーションをより効果的に進めることができるためです。また、社内評価やモチベーションの維持にも、大変役立ちます。
5R(6R)をどのようにマーケティングに役立てる?
5R(6R)は、STP戦略のターゲティングを判断するときなどに、大変役立つ指針です。市場分析を行う時には何か基準となる指針がないと、分析内容が偏ってしまうことや不足してしまう場合があります。
5R(6R)の指針を活用しながら、STP戦略を進めていくことで、企業側の都合ではなく、消費者が必要としている商品やサービスを、知ることができます。また、ターゲティングだけではなく、自社の優位性を判断する際にも、役立つ指針となります。
市場を俯瞰的に見て、正しいマーケティング判断を下すためにも、5R(6R)を知識として身に着けてどんどん活用していきましょう。
STP戦略への取り組みは、消費者や自社製品、他社を深く知ることにもつながります。そのため、その後のプロモーション展開や広告作成の際にも、生かすことが可能になるのです。
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