MAにおけるリードとは?その育成方法は?

MA(マーケティングオートメーション )におけるリードとは?

デジタルマーケティングのなかでも、近年特に注目を浴びているのがMA(マーケティングオートメーション )です。マーケティング活動を自動化することにより、効率化を図るものです。

MAの重要な役割は、大きく分けると2段階あります。「リード(見込み客)を獲得するまでの段階」と「獲得したリード(見込み客)を育成して自社の顧客にするまでの段階」です。

ここで主役ともいえるリード(見込み客)とは、どんな顧客のことなのでしょうか。

MAのリード(見込み客)とは、企業から直接連絡がとれる個人情報を取得できた顧客のことです。具体的にはその企業にたいして、Eメールアドレスや電話番号・氏名・住所などのすべて、または一部の個人情報を提供した顧客のことをいいます。

Webサイトなどを訪問してくれたユーザーから、問い合わせ・メルマガ登録・資料請求・デジタル資料ダウンロードなどの際に、連絡先を提供してもらいます。

連絡先を提供してくれるということは、サービスや商品に興味を持ってくれているということであり、リード(見込み客)だと考えられるわけです。

 

リードナーチャリングとは?

そして獲得したリード(見込み客)を育成して、自社の顧客にしていくことを「リードナーチャリング」といいます。「リードナーチャリング」とは、「リード(見込み客)」を「ナーチャリング(育成)」するという意味です。

リード(見込み客)に対して、企業から段階的に効果的なアプローチを行い、購買意欲を高めていきます。特に、金額の大きい不動産・車や企業間取り引きなどでは、購入までの検討段階が長く、検討すべき内容も多いため「リードナーチャリング」が重要になるのです。

もしもリードナーチャリングを行わないで見込み客を長期間放置しておくと、他社と関係を深めていき、いつの間にか他社と契約してしまうこともあります。

検討に時間を要する商品やサービスほど、顧客との関係を構築するリードナーチャリングの重要性が増してくるのです。

企業間取り引きでは、検討時間が長くなることが多いため、リードナーチャリングによる見込み客の育成や関係の構築が重要です。

 

リードナーチャリングのメリット

リードナーチャリングを行うメリットとしては「営業の効率がアップして、受注数や受注率が上がる」ことがあります。

購買の検討期間中に見込み客へ効果的なアプローチを行うことで、見込み客の検討期間を短縮させることができるのです。また、見込み客が他社との関係を深めて、他社と契約してしまうのを防ぐ効果もあります。

さらに集客コストのロスをなくせるのも、メリットの一つです。Webでも見込み客を集客するまでには、広告やキャンペーン・Webサイト制作などコストがかかっています。

見込み客の育成をすることで、育成をしなかった場合に比べると、集客した顧客の購入率を上げることができます。集客コストのロスをなくして、集客した見込み客を顧客へとつなげることができるのもメリットなのです。

 

リードナーチャリングのデメリット

リードナーチャリングを行うデメリットとしては、リードナーチャリングで行う施策を、運営・管理する必要があることです。

いつ、どのように見込み客にアプローチするのか、という設定を決めなければならず、MAツールの購入費用もかかります。

また、リードナーチャリングを行っても、すぐに売り上げに結びつくわけではないこともデメリットです。検討を始めたばかりの見込み客の場合は、購入を決めるまでに長い時間がかかることがあります。

たとえリードナーチャリングが順調に効果を発揮していたとしても、見込み客はあくまでも見込み客にすぎず、受注するまでは売り上げに結びつかないのです。

 

リードナーチャリングの手法には何がある?

リードナーチャリングは、自社ブログなどのオウンドメディアをベースにして展開します。リードナーチャリングの手法としては「広告」「SNS」「メール」「セミナー」という4つの手法があります。

 

  • 「広告」

Webサイトを訪問した顧客に向けて、リターゲティング広告で商品の購入を促したりします。リターゲティング広告とは、訪問時に閲覧した商品を含んだ広告を、他のWebサイトに広告表示する手法です。

興味があり閲覧した商品を、思い出して再検討してもらい、購入につなげるための広告です。広告を閲覧してくれた見込み客に向けては、さらに1段階進んだ施策を行っていきます。

企業に向けた広告としては、広告配信先を限定して配信する、企業ターゲティング広告もあります。

 

  • 「SNS(ソーシャルメディア)」

SNS(ソーシャルメディア)は、メールアドレスや氏名を取得しなくても、顧客とつながることができます。それぞれのユーザー層や使われ方が異なるため、自社に適した媒体を選ぶことが大切になります。

リードナーチャリングは、キャンペーンや新商品などの最新情報などの発信ツールとして使えます。またファン同士の交流の場として、SNSを使用することも増えています。

 

  • 「メール」

リードナーチャリングのメール配信は、メルマガとは少し異なります。メルマガは、一斉配信で同じメールを登録者全員に送信します。

しかしリードナーチャリングのメール配信は、見込み客をグループ分けして、それぞれに適した内容のメールを配信します。

成約までのスケジュール計画に沿って、メールを順番に送る「ステップメール」や条件でグループ分けした見込み客に、メールの内容を変えて送る「ターゲティングメール」などがあります。

 

  • 「セミナー」

複雑で資料を読むだけでは分かりにくい商材や購入までに検討すべきことが多い商品などは、セミナーが効果的です。

セミナー開催方法には「Webセミナー」と「会場でのセミナー」の2種類があります。「Webセミナー」のメリットは、場所を限定されることがなく全国に配信可能なこと、リアルタイム以外にも録画でも配信できることです。

録画した動画は、コンテンツ動画としても利用できます。セミナーは見込み客に与える影響が大きいため、セミナー内容はよく検討が必要です。

参加者へは、当日チャットなどで質問を受け付け、後日メールを送るなどのフォローも必要です。

 

 

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