Webマーケティングとデジタルマーケティング、似ているけど違いはどこにある?

Webマーケティングとは?

パソコンや携帯端末でのインターネットが普及してから、消費者がWebサイトで情報を探すことや、買い物をすることが増えてきました。

Webサイトを中心媒体として、プロモーション活動や販売活動を行うビジネスが、成り立つようになったのです。

それに伴い、WebサイトやWebサービスでの販売やプロモーションに取り組み、Webを中心にマーケティング活動を行うことを、Webマーケティングといいます。

しかし、Webマーケティングは、従来のマーケティングをWeb上にそのまま持ち込んだものではありません。Webマーケティングとは、Webにおいて売り込みを行う活動というよりも、Webを使って物が売れる仕組みを作る活動だと言えるのです。

 

Webマーケティングの手法とメリット

Webマーケティングには、大まかに分類すると3つの段階があります。「集客」、「接客」、「再来訪」です。

「集客」は、Webサイトにできるだけ多くの人を集めるための施策です。SEO(検索エンジンの最適化)、ネット広告(リスティング広告、アドネットワーク広告、アフィリエイトなど)、コンテンツ制作などがあります。

「接客」は、Webサイトを訪れた人に対する施策で、「問い合わせ」や「サンプル請求」、「購入」などを促し、消費者とつながりを持つことを目標にしています。

商品を探しやすい検索機能の設置や、クーポンの発行、チャットでの質問受付など、Webを訪問してくれたユーザーが、途中で離脱しないような施策も重要です。

「再来訪」は、一度来てくれた訪問者や購入者に、再び訪問してもらうための施策です。メール配信でキャンペーン告知を行う、クーポンを配信する、訪問者が閲覧した商品のWeb広告を配信、などの施策があります。

 

デジタルマーケティングとWebマーケティングはどう違う?

デジタルマーケティングとWebマーケティングは、言葉がよく似ているため混同して使われがちです。

しかし、WebマーケティングとはWebサイトを中心に展開するマーケティングのことであり、デジタルマーケティングはもっと多様なデジタル環境を活用する、マーケティングのことを指します。

そのため、Webマーケティングはデジタルマーケティングに含まれ、デジタルマーケティングはマーケティングに含まれる、という包含関係にあります。

デジタルマーケティングの媒体は、Webサイトに加えて、SNS、動画配信プラットフォーム、スマートフォンアプリ、POSシステム、GPSなども含む多角的に展開されるものです。

以前はWebマーケティングへの取り組みが主流でしたが、近年国内でもデジタルマーケティングが主流になってきています。まずはWebマーケティングから取り組み、その後にデジタルマーケティングに取り組むという例も多いかもしれません。

 

デジタルマーケティングとWebマーケティングを具体例で比較

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違いを、具体例で比較してみましょう。例として「女性向け化粧品メーカー」についてのマーケティングに設定します。

  • 「女性向け化粧品メーカー」のWebマーケティング例

女性向け化粧品メーカーの成果目標は、消費者に自社の化粧品を購入してもらうことです。

そのためWebマーケティング施策は、自社のWebサイトへ集客をして「商品の存在を知ってもらう」、「商品を購入してもらう」、「リピーターになってもらう」ことになります。

まずは、自社サイトへ集客する施策をします。Webサイトが検索エンジンで、なるべく上位表示されるように、SEO対策を行います。

しかし、SEO対策だけでの集客だと、効果が出るまでに時間がかかるため、集客計画が予定どおりに進まない場合もあります。その場合には、ネット広告を活用して集客を行います。

新製品が発売された際には、ランディングページを作成します。ランディングページは、特定の商品をアピールするのに有効だからです。

自社サイトを訪問した消費者に対しては、期間限定のキャンペーン情報を知ってもらい、早めの購入をすすめます。また、お得な情報を配信する、メールマガジン登録や会員登録も促します。

商品を購入してくれた人に向けては、定期的にメールマガジンを配信して、Webサイトへ再訪問するきっかけ作りをします。

  • 「女性向け化粧品メーカー」のデジタルマーケティング例

デジタルマーケティングでは、Webサイト施策に加えて、多彩なデジタル環境のユーザーに向けて、自社のファンを増やすための取り組みを行います。

SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)では、それぞれのSNS特性を生かして、SNSユーザーに最適化した配信方法を探り、集客を行います。

例えば、口紅やアイシャドウなどは、色合いをビジュアルでアピールするため、Instagramを中心にコンテンツ配信と広告配信を行います。

スマートフォン、タブレット端末向けには、自社アプリを配信します。

複数のチャンネルと連携して、デジタル会員制度、デジタルクーポン、購入金額に応じてポイントがつくデジタルのポイント制度などを導入して、顧客とのつながりを深めます。

価格比較サイトや口コミサイト、ソーシャルメディアとも、積極的な連携を行い、集客の窓口を広げていきます。

商品販売も自社サイトのみで販売するのではなく、総合ショッピングモールなどにも出品して、多角的な販売チャンネルを持ちます。

自社サイトやショッピングモールなどで得られた顧客データをもとに、顧客データの分析を行います。顧客データを分析したものは、今後のマーケティング施策の立案や改善に活用します。

 

デジタルマーケティングの特性

デジタルマーケティングでは、Webマーケティングよりも媒体が多くなるため、間口の広いマーケティングが可能になります。そのため、Webサイトはあまり見ないが、SNSは毎日使っている、という層に対してもマーケティングが可能になるのです。

また、詳細な顧客データを分析することで、より的確なマーケティングが可能になるのも、大きなメリットです。アクセスデータや閲覧履歴、購入履歴などを分析することで、顧客の不満や要望が見えてきます。

分析したデータをもとに、より顧客の要望に応える商品やサービスの提供を目指せるのも、デジタルマーケティングの特性といえます。

デジタルマーケティングが成功すると、Webサイトへのアクセスが多くなることが見込まれます。そのため、Webサイトもユーザーに対して訴求力のある内容にしておくことで、さらなる成果を見込むことができます。

 

 

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